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負荷試験コラム
2026.04.28
非常用発電機

非常用発電機の負荷試験は6年に1回で大丈夫?法改正の内容と点検周期の考え方

この記事の目次

非常用発電機の負荷試験について、「6年に1回でよいと聞いたが、本当に問題ないのか」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

2018年6月1日の消防庁告示・通知改正により、非常用発電設備の負荷運転と内部観察等は、運転性能の維持に係る予防的な保全策を講じている場合に6年に1回まで延長できるようになりました。

ただし、すべての設備が自動的に6年周期になるわけではなく、実際は設備条件や保全状況を踏まえて判断する必要があります。ここでは、制度の要点と点検方法の違いを整理し、施設に合った考え方を解説します。

参考:総務省消防庁「消防予第372号 平成30年6月1日 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式の一部を改正する件の公布について」

非常用発電機の負荷試験とは何か

非常用発電機の負荷試験とは、停電時に必要な電力を供給できるかを確認するために、実際に負荷をかけて運転性能を確認する点検です。消防法令上、消防用設備等の非常電源として設置されている自家発電設備は、定期的な点検と報告の対象であり、負荷運転では定格出力の30%以上の負荷を一定時間連続してかけて確認します。

非常用発電機の負荷試験について詳しくはこちら

参考:総務省消防庁「消防予第373号 平成30年6月1日 消防用設備等の点検要領の一部改正について」

法改正で点検周期が見直された背景

2018年6月1日の改正では、非常用発電設備の点検方法が見直され、停電を伴う実負荷試験が難しい施設や、機器の搬入が難しい施設にも配慮した運用が示されました。改正後は、原則となる負荷運転に加えて、条件を満たす場合には内部観察等を選ぶことができ、さらに予防的な保全策を講じていれば、負荷運転または内部観察等の周期を6年に1回まで延長できます。

改正前は原則として年1回の負荷運転

改正前も自家発電設備の点検は必要でしたが、運転性能の確認は原則として年1回の負荷運転で行う整理でした。病院や24時間稼働施設では、停電や系統切替を伴う点検が実務上の負担になることもありました。

改正後は内部観察等という選択肢が追加

改正後は、運転性能の確認方法として「負荷運転又は内部観察等」が示されました。これにより、設備や運用条件に応じて、年1回の負荷運転、6年に1回の負荷運転と年1回の予防的な保全策、6年に1回の内部観察等と年1回の予防的な保全策という考え方で整理しやすくなっています。

6年に1回へ延長する条件「予防的な保全策」とは

6年に1回へ延長するには、運転性能の維持に係る予防的な保全策を講じていることが前提です。消防庁資料では、始動補助装置の年1回確認と、消耗部品の推奨交換期間内での交換が示されています。

年1回確認する項目

設けられている場合に年1回確認する項目は、予熱栓、点火栓、冷却水ヒータ、潤滑油プライミングポンプです。設備ごとに搭載状況が異なるため、自設備に何が設けられているかを点検記録とあわせて確認しておくことが重要です。

推奨交換期間内に交換する部品

交換対象として示されているのは、潤滑油、冷却水、燃料フィルター、潤滑油フィルター、ファン駆動用Vベルト、冷却水用等のゴムホース、燃料・冷却水・潤滑油・給気・排気系統や外箱等に用いられるシール材、始動用の蓄電池です。メーカー推奨の交換期間を点検計画に落とし込み、記録を残しておくことが6年延長の判断材料になります。

参考:総務省消防庁「自家発電設備の点検改正に伴うリーフレット」

「内部観察等」とは何か

負荷運転に代えて行うことができる「内部観察等」では、過給器コンプレッサ翼及びタービン翼並びに排気管等の内部観察、燃料噴射弁等の動作確認、シリンダ摺動面の内部観察、潤滑油の成分分析、冷却水の成分分析を行います。負荷運転とは確認のしかたが異なるため、どちらが適するかは設備の状況や点検方針に応じて判断します。

参考:総務省消防庁「内部観察等とは?」

3つの点検方法を比較する

制度上の整理としては、主に次の3つの考え方があります。費用や所要時間は設備規模、設置状況、交換部品の内容で変動するため、ここでは制度面と運用面の違いを中心に比較します。

選択肢1:年1回の負荷運転

  • 実施の考え方:毎年、負荷運転で運転性能を確認する
  • 主な特徴:実際に負荷をかけて確認しやすい
  • 向いているケース:毎年の運転確認を重視したい施設

選択肢2:6年に1回の負荷運転+年1回の予防的な保全策

  • 実施の考え方:初年度に負荷運転を行い、その後は年1回の保全策を継続する
  • 主な特徴:部品交換や記録管理が重要になる
  • 向いているケース:計画的に保全を続けたい施設

選択肢3:6年に1回の内部観察等+年1回の予防的な保全策

  • 実施の考え方:初年度に内部観察等を行い、その後は年1回の保全策を継続する
  • 主な特徴:内部状態の確認を含めて進める
  • 向いているケース:負荷運転が難しい条件のある施設

選択肢1:年1回の負荷運転

毎年の負荷運転では、実際に負荷をかけた状態で確認できるため、運転性能を定期的に把握しやすいのが特徴です。無停電での対応可否や所要時間は、実負荷か擬似負荷か、現場の設備構成によって変わります。

選択肢2:6年に1回の負荷運転+年1回の予防的な保全策

この方法では、初年度に負荷運転を実施し、その後は予防的な保全策を継続します。負荷運転の頻度を抑えられる一方で、交換部品の管理や記録の整備が欠かせません。費用は設備条件や交換内容で変動するため、個別見積もりで確認するのが確実です。

選択肢3:6年に1回の内部観察等+年1回の予防的な保全策

内部観察等を用いる方法では、初年度に内部観察等を実施し、その後は予防的な保全策を継続します。所要日数や費用は設備規模、設置環境、点検範囲によって変わるため、対象設備に応じた点検計画が必要です。

施設の状況に合った点検周期の選び方

どの方法を選ぶかは、コストだけでなく、点検のしやすさ、施設の運用制約、必要な安全性のバランスで考えるのが実務的です。負荷運転を毎年行うのか、予防的な保全策を前提に周期を延長するのか、内部観察等を組み合わせるのかを、設備の設置環境や停止許容時間とあわせて整理しましょう。

毎年の確認を重視する場合

毎年の運転確認を重視するなら、年1回の負荷運転が検討しやすい選択肢です。実負荷か擬似負荷かで実施方法が変わるため、停電や切替の影響も含めて確認することが大切です。

計画的な部品交換と記録管理を重視する場合

6年に1回の負荷運転または内部観察等を選ぶ場合は、予防的な保全策を継続し、交換履歴や点検記録を残すことが欠かせません。周期延長の可否は、実際の保全状況を前提に判断されます。

負荷運転の実施が難しい場合

負荷運転の実施が難しい設備では、内部観察等を含めた方法を検討することがあります。どの範囲まで点検するかは設備の状態によって異なるため、所轄消防署や点検業者と事前に方針を確認すると安心です。

非常用発電機の負荷試験なら私たちにご相談ください

私たちは、模擬負荷装置を使用した無停電の負荷試験を全国で実施しています。点検時間は約2時間程度が目安で、試験後は1週間以内に報告書・写真帳を作成し、お送りします。法令の考え方を踏まえながら、設備条件に応じた点検方法のご相談にも対応しています。

日本負荷試験テクノ株式会社「選ばれる理由/6つの強み」

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著者

日本負荷試験テクノ株式会社

営業部 課長

能又浩一

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