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負荷試験コラム
2026.04.28
非常用発電機

非常用発電機の負荷試験の種類とは|実負荷試験と模擬負荷試験の違いを解説

この記事の目次

非常用発電機は、災害や停電時に電力を供給する重要な設備です。消防法令では、消防用設備等の非常電源として設置されている自家発電設備について、定期的な点検と報告が求められます。

負荷試験の種類を理解する際は、単に「どちらが良いか」を比べるだけでなく、法令上どのように運転性能を確認するかまで整理しておくことが大切です。

非常用発電機の負荷試験とは

非常用発電機の負荷試験とは、発電機に実際の運転状態に近い負荷をかけて、性能や機能が正常に維持されているかを確認する点検です。消防庁通知では、擬似負荷装置や実負荷等により、定格出力の30%以上の負荷を一定時間連続してかける考え方が示されています。

また、実務上よく使われる「模擬負荷試験」は、消防庁資料では擬似負荷装置を用いた方法として整理できます。この記事では、実務で使われる呼び方に合わせて「模擬負荷試験」と表記しつつ、法令上の考え方もあわせて説明します。

非常用発電機の負荷試験について詳しくはこちら

参考:総務省消防庁「消防予第283号 消防用設備等の試験基準に係る運用について」

負荷試験が重視される背景と2018年改正

東日本大震災では、自家発電設備のメンテナンス不良による不始動や停止が確認されました。こうした経緯も踏まえ、2018年6月の改正では、運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられている場合に、負荷運転または内部観察等の点検周期を6年まで延長できる運用が示されています。

参考:総務省消防庁「東日本大震災における自家発電設備のメンテナンス不良による不始動・停止台数」

参考:総務省消防庁「消防予第528号 平成30年8月24日 自家発電設備の点検に関する運用について」

負荷試験の種類(実負荷試験と模擬負荷試験)

負荷試験には、大きく分けて「実負荷試験」と「模擬負荷試験」があります。どちらも発電機に負荷をかけて運転性能を確認する方法ですが、負荷のかけ方と現場への影響が異なります。

実負荷試験

実負荷試験は、施設内の実際の電気設備を利用して負荷をかける方法です。施設の構成によっては停電や系統切替が必要になるため、実施可能な時間帯や設備への影響を事前に確認しておく必要があります。

模擬負荷試験

模擬負荷試験は、外部の模擬負荷装置を使って発電機に負荷をかける方法です。施設側の運用を止めずに実施できる場合があるため、停電の影響を避けたい現場で検討しやすい方法です。

負荷のかけ方

  • 実負荷試験:施設内の実際の電気設備を利用
  • 模擬負荷試験:外部の模擬負荷装置を利用

現場への影響

  • 実負荷試験:構成によっては停電や切替が必要
  • 模擬負荷試験:施設側の運用を止めずに実施できる場合がある

確認しやすい内容

  • 実負荷試験:設備全体の切替を含む運用確認
  • 模擬負荷試験:発電機単体の負荷運転確認

実負荷試験の特徴と注意点

実負荷試験の特徴は、施設内の実際の設備を使って確認できる点です。発電機だけでなく、切替や配電の流れも含めて確認しやすい一方で、停電や系統切替の影響を受けやすいため、実施条件をよく見極める必要があります。

実負荷試験のメリット

実際の設備を使うため、発電機の運転とあわせて施設側の切替状況を確認しやすい点がメリットです。停電や切替を許容できる施設では、運用面を含めた確認方法として検討できます。

実負荷試験のデメリットと注意点

停電や系統切替が必要になる場合、病院、データセンター、商業施設などでは実施のハードルが上がります。負荷率の確保や作業時間の調整も含め、現場条件に応じた計画が必要です。

模擬負荷試験の特徴と注意点

模擬負荷試験は、外部の装置で必要な負荷率を確保しやすい点が特徴です。法令上求められる30%以上の負荷をかけやすく、施設側の運用への影響を抑えたい場面で検討しやすくなります。

模擬負荷試験のメリット

施設側の運用を止めずに実施できる場合があるため、停電による影響を避けたい施設で採用しやすい方法です。必要な負荷率を設定しやすく、発電機単体の運転性能確認にも向いています。

参考:総務省消防庁「自家発電設備の点検方法に関する改善(案)」

模擬負荷試験のデメリットと注意点

模擬負荷試験では、専用の装置の準備や搬入が必要になるため、現場条件によっては段取りや費用が増える場合があります。また、施設全体の切替や配電系統の確認は、別の確認方法とあわせて検討することがあります。

どちらの試験方法を選ぶべきか

実負荷試験と模擬負荷試験のどちらを選ぶかは、施設の停電許容度、切替確認の必要性、作業時間、設備構成を踏まえて判断するのが基本です。病院やデータセンターのように停電の影響が大きい施設では模擬負荷試験が検討しやすく、停止可能な時間を確保しやすい施設では実負荷試験も選択肢になります。

模擬負荷試験が検討しやすい施設

病院、介護施設、データセンター、商業施設など、停電や切替の影響をできるだけ避けたい施設では、模擬負荷試験が検討しやすくなります。

実負荷試験が選択肢となる施設

定期的な休業日があり、停電や系統切替を計画的に行える施設では、実負荷試験も選択肢になります。どちらを選ぶ場合も、事前の影響確認が重要です。

判断のポイント

試験方法を選ぶ際は、施設の停電が可能か、切替確認が必要か、作業時間を確保できるか、利用者や設備への影響をどう抑えるかを整理しておきましょう。

当社の模擬負荷試験サービスの特徴

私たちは、全国の施設に対して模擬負荷試験サービスを提供しています。点検後は1週間以内に報告書・写真帳を作成し、負荷試験だけでなく、保守点検、修理・整備、更新・新設まで一貫して対応しています。

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負荷試験以外の点検項目(内部観察等)

消防法令では、運転性能の確認方法として負荷運転または内部観察等が位置づけられています。内部観察等は、負荷試験の種類というより、運転性能確認の代替手段の一つです。平成30年の改正では、運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられている場合に、負荷運転または内部観察等の点検周期を6年まで延長できるようになりました。

参考:総務省消防庁「消防予第372号 平成30年6月1日 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式の一部を改正する件の公布について」

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著者

日本負荷試験テクノ株式会社

営業部 次長

備瀬元博

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