常用発電機と非常用発電機の違いを解説 – 適切な発電機の選び方と活用法

非常用発電機

発電機には常用発電機と非常用発電機があり、それぞれ目的・役割が異なります。
現在、発電機の導入を検討されている企業様は、改めて発電機導入の目的に照らし、常用発電機と非常用発電機のどちらを選ぶべきか検討していきましょう。
ここでは、適切な発電機の選び方・活用法の視点から、常用発電機と非常用発電機の違いを解説しています。

常用発電機とは

常用発電機とは、普段から常に使用している自家発電機を言います。「常に」とは言え、必ずしも24時間365日稼働しているわけではなく、企業などの必要に応じていつでも稼働させられる状態を維持している発電機が常用発電機です。

常用発電機は長時間運転が可能

常用発電機は長時間の稼働を前提としているため、非常用発電機とは異なり、長時間運転が可能な設計となっています。また、日常の使用時間が長いことから、非常用発電機に比べて点検頻度も年に4~12回程度と多めです。

電気料金節約を目的に設置している例が多い

常用発電機の設置施設として多く見られる施設が、電力使用料の多い工場など。電力使用量の多い時間帯に常用発電機へ切り替え、ピークカットによる電気料金の節約を図る目的で常用発電機が利用されています。

商用電源へ切り替える例も増えてきた

かつて国際的な原油相場が今より低かった時代には、相対的に商用電源(発電所から供給される電気)の価格が高かったため、常用発電機を導入する例が多く見られました。しかし、現在では様々な国際情勢から原油相場が高騰しているため、発電機のメンテナンスコストも考慮し、常用発電機から商用電源へ切り替える例も増えているようです。

非常用発電機とは

非常用発電機とは、災害発生時にのみ使用する発電機を言います。法令によって設置が義務付けられている非常用電源としての「防災用発電機」と、災害による停電発生時のバックアップ電源としての「保安用・業務用発電機」の2種類があります。

長時間運転を前提にしていない

非常用発電機は、災害発生時などの一時期のみ使用する設備なので、長時間運転を前提にしていません。そのため、2時間以上の運転を希望する場合には、長時間対応型の非常用発電機を導入するかタンク容量を大きくする必要があります。
点検頻度は規制する法令により異なりますが、常用発電機に比べると少なめです。法令の点検として、電気事業法の月次点検、年次点検、消防法の機器点検、総合点検が必要です。

防災用発電機と保安用・業務用発電機の目的の違い

防災用発電機の目的は、主に火災発生時の消火設備などを正常に作動させること。スプリンクラー、消火栓、排煙機などを作動させる電源として、防災用発電機の設置が義務付けられています。
一方で保安用・業務用発電機の目的は、設置する企業によって異なります。多くの食品を冷蔵・冷凍保存している企業などでは、保安用・業務用発電機の設置が必須となるでしょう。また、生産ラインを止めたくない工場においても不可欠な設備となるでしょう。自社を守る意味に加え、災害発生時の地域貢献にもつながる大事な設備です。

【まとめ】導入目的を明確にして適切な発電機を
選びましょう

常用発電機と非常用発電機の大きな違いを解説しました。

常用発電機は、主に電気料金の節約を目的に、企業が任意で導入する発電機です。一方で非常用発電機は、災害発生時の緊急電源として導入する発電機です。
常用発電機と非常用発電機は、目的や役割が異なります。発電機の導入を検討する際には、導入の目的を明確にし、より適切な発電機を選ぶようにしましょう。

著者
能又浩一

日本負荷試験テクノ株式会社

営業部 課長

能又浩一

発電機の困った!を解決!緊急対応は24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

関連記事